ちいさな心とおおきな世界

悩める若者の雑記と旅行記。チェコ共和国プラハに留学中。

読書備忘録『モチベーション革命』

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Amazon電子書籍でのベストセラー。レビューやらなんやらからずっと読みたかった一冊でようやく読めたので感想まとめます。
 
 
ざっくり全体をまとめると、明るく未来志向的な変化の加速する現代についての見通しと、それに対する働き方を書いている。この明るく未来志向的っていうのが結構特徴的で、筆者のこれからの時代に対するワクワク感が伝わってくるかのように感じた。タイトルの通り、まさに『モチベーション革命』である。僕のようなひねくれているけど、根は単純で感化されやすい現代の若者のモチベーションを刺激して、これからの生きかたを示唆してくれる。
 
備忘録兼頭の整理として、印象的だった内容を簡単に振り返って見る
 
 

『乾けない世代』と『乾ける世代』

 
要するに僕らのような現代の若者と戦後から日本を復興させてきた親や祖父母の世代についての対比。この言語化がかなりわかりやすかった。なるほど、自分たちは「乾けない世代」なんだ。だから先生や親の言うことを鵜呑みに聞いていられない。わかってはいたつもりだけど、こうやって綺麗に言語化されると納得してしまうなあ。
 
 
・乾ける世代
戦後で何もない時代。
ガムシャラにロボットのようにみんなが同じ方向を向かって働く
「達成」と「快楽」がモチベーションにある
・乾けない世代
現代の裕福な、生まれた時から何不自由なく「なにもない」ことを知らない時代
ガムシャラに働き続けることができない
「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」がモチベーション
 
 
僕らの世代は(というか自分は)「頑張って働いて生活をもっとよくしよう!」とか「兎に角前に向かって進み続ければいいんだ!」とかそういうのが理解できない。それを聞いたらまず「なんで?」「別に今のままでよくないか?」と反論や疑問から入ってしまう。なぜなら生まれた時から、何かが足りなくてそれを切望して「乾く」ということが一度もなかったから。はじめからなんでもあったし、生きている間にそれらは必要最低限を超えてどんどん便利なものになっていく。反対に上の世代は戦後のなにもない状態から必死に働いてきていまの便利で快適な社会を作り上げてきたのだ。これでは職場や教育の場でもギャップが出てしまって当たり前。どんな場合でもまずはお互いそのギャップを認識するところからじゃないと対話は成り立たない。
 
 

『偏愛』こそが乾けない時代の価値になる

 
では乾けない世代はどうすればいいのか。乾けないことのは仕方がない。それは育ってきた時代と環境の問題である。ここで出てくるのが『偏愛』。要するに好きなことをやり続けろってこと。AIの台頭によってこれからは、それまで人間がやっていたことのほとんどすべてが機械に取って代わられてしまう。人間に残された価値は「好きなことをやり続けること」によって生まれる違い、そしてそれを発信することで生まれる他者からの共感である。
 
ここに至っては理解が足りないのかいまいち疑問が残った。疑問っていうほどではないけど、やっぱり好きなことがない人はどうするの?とかそれで生きていけなくなったらどうすんの?とか。でもそれは単に「好きなことをやり続ける」ことがいかに大変かっていうのを想像してビビってるんだとおもう。いくら好きなことでも、むしろ好きなことだからこそ、それを全力でやり続けていくのは容易なことではない。
 
印象的だったのは2点。
1. 好きなことを見つけるための投資を若いうちからたくさんすること
同じ好きなことをする行為でも、ただ単に楽しく「遊ぶ」と、自分のライフとなるもののきっかけを見つけるための「投資」では全く意味合いが異なる。ほんの意識の問題くらいかもしれないけど、それを区分するのは没入度の違いかなと思った。別に合わなかったら合わなかったでいいけど、本気で没入しようとやってみるか否か。なんとなく一線を引いて外から眺めるようなスタンスをとっちゃうのはまずい。僕がよくやるやつ。
 
2. アウトプットする前にひたすらそれには没頭すること
アウトプットを意識すること、またはアウトプットした結果得られたリターンによって他の人と交わるのがよくないという。それによって本来その人の独自の「歪み」であり人とは違う「価値」になるはずであったものが失われてしまうらしい。なるほど。アウトプットすることにもそういったデメリットはあるのかと納得させられた。
 
 
 
 

価値=違い×理解

 
僕はよく「価値」ってなんだろうっていう問いについて考える。だいたいの場合得られる結論は「他者との違い」または「希少性」ってことになる。納得は仕切れないけど。筆者は価値とは違い×理解だという。なるほど。人との違いがあっても、それに対して周囲の理解があって初めてそれは「価値」になるんだね。この疑問に関して一歩前進した気分。
 
本の中ではビジネス上でのチームつくりを例にして解説していたが、変化し続ける現代でチームを作る場合それは凹凸の噛み合った、つまり長所短所それぞれ多様な人間を集めて、その上でそれぞれの違いを認める必要があると言っている。多様性を受け入れて、それを上手に使うことが大事。ビジネスに限らず日常全てに言えるんじゃないだろうか。
 
 
 

 日本人に特有な「他人に迷惑をかけてはいけない」という呪い

 
小さい頃から親や学校の先生から散々「他人に迷惑をかけてはいけませんよ」と言われ続けて育ってきた我々日本人の中には有無を言わせずに、そういった思考がある。それゆえに何かをするときには必ず、失敗した時のことを考えたり、周りの目を必要以上に気にしたりする。日本人なら誰でも身に覚えがあると思う。これが自分自身の「好き」を続けていく、「歪み」を個性として育てていくことの障害となる。
 
興味深かったのはインドではそれとは反対だということ。インドでは小さいころから、「あなたは生きている限り他人に迷惑をかけるのだから、誰かに迷惑をかけられても許してあげる心を持ちなさいね」と教えられて育つそうです。見事に考え方が反対ですね。多様性や個性が重要になってくる時代では、信頼関係が重要になってくるので、「迷惑をかけてはいけない」という呪いに縛られずに、もっとインド的な寛容な心を持って好きなことを磨き続けることが必要になってくるとのこと。割とどうでもいいけど、インド人ってそんなことを考えていたのか。だからあんなに図々しいのか。なんかちょっと納得かもしれない。
 
 
 

まとめ

 
ざっくりとまとめました。なかなか面白かったし、意外にも読みやすく軽く読めてしますので、興味がある人にはオススメです。「変化し続ける世界では、変化をしないままいる方がリスク」という言葉にハッとさせられる。人間関係のしがらみや、変化をすることを恐れていたら、それこそが何か自分の人生におけるチャンスを乗り過ごすポイントになっているのかもしれない。結局これから自分がどうするかを決めるのは自分自身でしかないので、好きでもない嫌なことをやり続けるか、思い切って現状維持から離れて好きなことに没頭して見るのか、どちらにせよリスクがあるのであれば答えは自ずとわかってくる気がする。